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1300年の祈りが、静かに回り続ける場所渋川の街を背に、伊香保へと続く坂道を登る。左右を深い木々に囲まれ、いよいよ山の懐へと踏み込んでいく感覚が強まってきた頃、沿道に突如として鮮やかな朱色の聖域が現れる。1300年もの間、人々の祈りを静かに受け止めてきた「水 沢観世音」だ。 一歩その結界の内側へ足を踏み入れる。 外界の喧騒は嘘のように消え、湿り気を帯びた霊気と線香の香りが、肌に纏わりつく。 ここは、単なる歴史の断片ではない。 飛鳥時代、絶体絶命の危機に瀕した伊香保姫を、肌身離さず祈っていた観音様が「身代わり」となって救ったという伝説。本堂の静寂の中に身を置くと、1300年前から途絶えることなく繰り返されてきた祈りの層が、目に見えない圧力となってこの空間を満たしているのがわか る。 そのまま吸い寄せられるように、鮮やか な「六角二重塔」の前へ。 そこには、私たちが巡る六つの世界を司る「六地蔵」が祀られている。重厚なお堂の台座を自らの手で掴み、ゆっくりと 左へ三回、押し回す。 足裏から伝わる確かな重み。木が軋む低 い音。 一歩ずつ踏みしめて回るその時間は、自分の内側に溜まった執着や迷いを、
視聴回数: 91 回3 か月前
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